不動産屋の会話、何を言っているの?一般の人には伝わらない業界用語25選

不動産屋の会話、何を言っているの?一般の人には伝わらない業界用語25選
不動産会社で働いていると、ごく普通に使っている言葉でも、一般のお客様からすると「何の話をしているの?」という業界用語がたくさんあります。
たとえば、営業マン同士の会話で、
「これ元付どこ?」
「先物です」
「指値入りますか?」
「両手になりそうですね」
なんて言葉が飛び交うことがあります。
今回は、不動産会社でよく使われる業界用語を、一般の方にもわかる言葉に「翻訳」してみます。 家を買う人、売る人に関係する言葉も多いので、意味を知っておくと不動産会社とのやり取りが少しわかりやすくなるかもしれません。
- 元付
- 客付
- 両手
- 片手
- 先物
- 直物
- 売主物件
- レインズ
- 物上げ
- 買付
- 指値
- 囲い込み
- 専任
- 専属専任
- 一般媒介
- 反響
- 追客
- 案内
- 鍵取り
- ローン特約
- 契約不適合責任
- 三為
- 抜き行為
- あんこ
- 業物
まずは知っておきたい不動産会社の立ち位置に関する言葉
元付(もとづけ)
「売主側の窓口になっている不動産会社はどこ?」
売主から売却の依頼を受けている不動産会社を「元付業者」と呼ぶことがあります。 物件の詳しい状況や売主の意向などを把握していることが多く、他の不動産会社は元付会社を通して物件確認や条件交渉を行います。
客付(きゃくづけ)
「買主を紹介してくれた不動産会社から購入申込みが入りました」
元付が売主側の不動産会社なのに対して、「客付」は買主を紹介する側の不動産会社を指す言葉です。
たとえば、A不動産が売主から売却を依頼され、B不動産がお客様を案内して購入が決まった場合、A不動産が元付、B不動産が客付という形になります。
両手
「売主と買主の両方を同じ不動産会社が仲介する取引です」
不動産仲介では、売主側と買主側の双方から仲介手数料を受け取る取引を、業界内で「両手」と呼ぶことがあります。
1社の不動産会社が売主から売却を任され、その会社自身が買主も見つけた場合などが該当します。
片手
「売主か買主、どちらか一方を担当する仲介取引です」
売主側と買主側にそれぞれ別の不動産会社が入る場合、それぞれの会社は基本的に自分が担当するお客様から仲介手数料を受け取ります。 この状態を業界では「片手」と呼ぶことがあります。
先物(さきもの)
「自社が売主から直接預かっている物件ではなく、他社が取り扱っている物件を紹介しています」
不動産会社が直接売却を任されているわけではなく、別の不動産会社が取り扱っている物件を紹介する場合に使われることがあります。
SUUMOやHOME'Sなどの不動産ポータルサイトに掲載されている物件でも、掲載している会社が必ずしも売主から直接依頼を受けているとは限りません。
直物(じかぶつ)
「自社が売主から直接売却を任されている物件です」
先物とは反対に、不動産会社が売主から直接売却の依頼を受けている物件を、直物などと呼ぶことがあります。
会社によっては「自社物件」「元付物件」など、別の呼び方をすることもあります。
売主物件
「不動産会社自身が売主になって販売している物件です」
不動産会社が仲介役ではなく、自ら土地や建物を所有して販売している物件です。
新築一戸建てや買取再販マンションなどでよく見られます。 売主から直接購入する取引では、原則としてその売主との間に仲介会社が入らなければ、仲介手数料は発生しません。
物件情報や売却活動で使われる業界用語
レインズ(REINS)
「不動産会社間で共有する物件情報システムに登録されていますか?」
レインズは、不動産会社が利用する物件情報ネットワークです。 売却物件の情報を不動産会社間で共有し、他社がお客様を紹介できる仕組みになっています。
一般の方が自由に物件検索するSUUMOなどのポータルサイトとは役割が異なり、主に不動産会社同士で情報を共有するためのシステムです。
物上げ(ぶつあげ)
「売却を考えている所有者を探し、売却の依頼をいただくための営業活動をします」
不動産会社が売却物件を獲得するために行う営業活動を「物上げ」と呼ぶことがあります。
売却査定、一括査定サイトへの対応、空き家所有者へのアプローチ、地主への訪問なども、広い意味では物上げ活動の一つと考えられます。
買付(かいつけ)
「この物件を購入したいという申込みが入りました」
購入希望者が売主に対して「この条件で購入したい」と意思表示する書面を、一般的に購入申込書や買付証明書と呼びます。
業界内では「買付が入った」「買付を出す」などと言うことがあります。
なお、買付を提出しただけで売買契約が成立するわけではありません。 価格や条件の調整を行い、双方が合意した後に正式な売買契約へ進みます。
指値(さしね)
「売出価格から100万円値下げしてもらう交渉はできませんか?」
不動産売買の現場では、売出価格より低い金額で購入を申し込むことを「指値を入れる」と表現することがあります。
ただし、指値を入れれば必ず値下げされるわけではありません。 物件の人気度、販売期間、売主の事情、他の購入希望者の有無などによって結果は大きく変わります。
囲い込み
「他の不動産会社から買主を紹介できないようにして、自社だけで取引を成立させようとしていませんか?」
売却を任された不動産会社が、他社から購入希望者を紹介できる状況にもかかわらず、正当な理由なく紹介を受け付けないなどして、自社で売主と買主の双方を仲介しようとする行為を指して使われる言葉です。
売主にとっては、本来出会える可能性があった購入希望者との機会を失うことにつながりかねません。
売却を依頼するときによく聞く言葉
専任媒介
「売主が基本的に1社の不動産会社に売却活動を任せている契約です」
不動産の売却を依頼するときに結ぶ媒介契約の一つです。 複数の不動産会社に同時に仲介を依頼することはできませんが、売主自身が買主を見つけて直接取引する自己発見取引は可能です。
専属専任媒介
「1社だけに売却を任せ、売主自身が見つけた相手との取引も原則その会社を通して行う契約です」
専任媒介よりも売主側の制約が強い媒介契約です。 一方で、不動産会社にはより頻繁な業務報告などが求められます。
一般媒介
「複数の不動産会社に同時に売却を依頼しています」
一般媒介契約では、複数の不動産会社に売却活動を依頼することができます。
窓口を1社に絞る専任媒介とは違い、複数社が販売活動を行えることが特徴です。
不動産営業マンが毎日のように使う言葉
反響(はんきょう)
「今日はお客様から何件問い合わせがありましたか?」
不動産会社では、ホームページやSUUMOなどのポータルサイト、電話、広告などから入る問い合わせを「反響」と呼ぶことが多いです。
不動産営業マンにとっては非常によく使う言葉の一つです。
追客(ついきゃく)
「以前問い合わせをいただいたお客様に、その後も連絡や提案をしていますか?」
一度問い合わせをいただいたお客様に、その後も電話、メール、LINEなどで連絡を行う営業活動を「追客」と呼びます。
新着物件を紹介したり、希望条件を確認したり、住宅ローンの相談を行ったりすることも含まれます。
案内
「午後からお客様を物件の内見にお連れします」
不動産営業マンが使う「案内」は、主に購入希望者や賃貸希望者を現地に連れて行き、物件を見てもらうことを指します。
一般の方が使う「内見」「見学」とほぼ同じ意味で使われることが多い言葉です。
鍵取り
「物件を内見するための鍵を受け取りに行ってきます」
空室物件などでは、内見の際に管理会社や元付会社から鍵を借りることがあります。
最近は現地にキーボックスを設置するケースなども多いため、すべての物件で鍵を取りに行くわけではありませんが、業界では今でも使われる言葉です。
契約の場面で出てくる重要な言葉
ローン特約
「住宅ローンの審査が通らなかった場合に、契約を解除できる期限はいつですか?」
住宅ローンを利用して不動産を購入する際に重要になる契約条件です。
一定の条件のもとで住宅ローンの承認が得られなかった場合に、売買契約を解除できるよう定める特約です。
どの金融機関に申し込むのか、借入予定額はいくらか、期限はいつまでかなど、契約内容をしっかり確認することが大切です。
契約不適合責任
「引き渡された不動産が契約内容と違っていた場合の売主の責任について、一定の取り決めがあります」
売買した不動産が、種類・品質・数量などの点で契約内容に適合していなかった場合に関係する売主の責任です。
中古住宅や土地の売買では、売主が個人なのか不動産会社なのかによっても契約条件が異なることがあります。
「免責」という言葉だけを見て判断せず、契約書や重要事項説明書の内容を確認することが重要です。
少しマニアックな不動産業界用語
三為(さんため)
「第三者のためにする契約という仕組みを利用した取引です」
「第三者のためにする契約」を略して、業界内で「三為」と呼ぶことがあります。
不動産会社が売主から物件を取得する契約を結び、その後の買主へ所有権を直接移転するような取引スキームで使われることがあります。
一般の住宅購入では頻繁に耳にする言葉ではありませんが、買取再販や投資用不動産などの取引で出てくることがあります。
抜き行為
「すでに取引に関わっている不動産会社を外して、直接契約するような行為にならないよう注意してください」
すでに別の不動産会社が仲介や交渉に関わっているにもかかわらず、その会社を取引から外して直接契約を進めるような行為を、業界内で「抜き」と表現することがあります。
取引の経緯や媒介契約の内容によって問題となるケースがあるため注意が必要です。
あんこ
「売主側と買主側の間に、別の不動産会社が入っていますか?」
不動産会社同士の取引で、元付会社と客付会社の間にさらに別の会社が介在しているようなケースを「あんこ」と表現することがあります。
和菓子のあんこのように「間に挟まっている」というイメージから使われる業界用語です。
ただし、会社や地域によって使い方が異なることがある、かなり業界色の強い言葉です。
業物(ぎょうぶつ)
「不動産会社が売主となっている物件、または業者が扱う物件という意味で使われています」
「業物」という言葉は、不動産会社などの宅建業者が売主となっている物件を指して使われることがあります。
ただし、この言葉も会社や地域によって意味の幅があり、「業者物件」「業者売主物件」など別の表現を使う会社もあります。
不動産屋の会話を翻訳するとこうなる
| 不動産屋の会話 | 一般の言葉に翻訳 |
|---|---|
| 「これ元付どこ?」 | 売主から直接売却を任されている会社はどこ? |
| 「これ先物です」 | 自社が直接預かっている物件ではありません |
| 「買付入りました」 | 購入したいという申込みが入りました |
| 「指値入りますか?」 | 価格交渉はできますか? |
| 「今日は案内2件です」 | 今日はお客様を2組、物件見学にお連れします |
| 「反響ありました?」 | お客様から問い合わせはありましたか? |
| 「追客してます?」 | 問い合わせ後のお客様に継続して連絡していますか? |
| 「今回は両手です」 | 売主と買主の両方を同じ不動産会社が仲介します |
業界用語を知らなくても、不動産は購入できます
ここまでさまざまな不動産業界用語を紹介しましたが、もちろん、これらの言葉をすべて覚える必要はありません。
本来、不動産会社は専門用語をそのまま使うのではなく、お客様にわかりやすい言葉で説明することが大切だと考えています。
不動産は、人生の中でも非常に大きな金額が動く買い物です。
わからない言葉が出てきたときに、
「それってどういう意味ですか?」
と聞くことは、決して恥ずかしいことではありません。
むしろ、専門用語をわかりやすく説明してくれるかどうかも、不動産会社や担当営業マンを判断する一つのポイントかもしれません。
まとめ
不動産業界には、「元付」「客付」「両手」「片手」「買付」「指値」など、一般の方には少しわかりにくい独特の言葉があります。
これらは不動産会社同士では日常的に使われていますが、お客様にとって本当に重要なのは、専門用語を覚えることではありません。
「自分の取引がどのような仕組みになっているのか」
「誰が売主側で、誰が買主側なのか」
「どのようなお金が発生するのか」
こうした内容を理解したうえで不動産取引を進めることが大切です。
不動産会社の説明でわからない言葉が出てきたら、遠慮せず確認してみましょう。
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そんな疑問も、できるだけ専門用語を使わず、わかりやすくご説明します。
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