不動産営業は何を考えている?家探しで知っておきたい営業マンの本音

不動産営業は何を考えている?
家探しで知っておきたい営業マンの本音
「この物件は人気です」「ほかにも検討している人がいます」 「今日中に決めた方がいいかもしれません」。 営業担当者の言葉は、本当にあなたのための助言なのでしょうか。 それとも、契約を取るための営業トークなのでしょうか。
※この記事は不動産営業を一方的に否定するものではありません。 営業担当者の立場を理解し、購入者が冷静に判断するための内容です。
不動産会社へ問い合わせをすると、営業担当者は希望条件を聞き、 条件に合いそうな物件を探し、内見や住宅ローンの相談に対応してくれます。
親身になって話を聞いてくれる営業担当者を見ると、 「この人は自分たちのことを一番に考えてくれている」と感じるかもしれません。
もちろん、本当に購入者の立場に立って提案している営業担当者は多くいます。 しかし、不動産営業も仕事です。
お客様に良い家を買ってほしいという気持ちがある一方で、 契約を取りたい、売上を作りたい、ほかの会社に取られたくない という気持ちも持っています。
「この人は、本当に家を買うのか」
「住宅ローンは通るのか」
「ほかの不動産会社にも相談しているのか」
「この物件で決めてもらえるか」
「今月の契約にできるか」
購入者が、営業マンの立場や考えていることを知らないまま話を聞いていると、 営業トークと客観的なアドバイスを区別できなくなることがあります。
この記事では、不動産営業が接客中に何を考えているのか、 営業トークをどのように見極めればよいのか、 信頼できる担当者にはどのような特徴があるのかを解説します。
大切なのは、契約を取りたいという気持ちがあっても、 購入者に不利な情報を隠さないか、必要以上に決断を急かさないか という点です。
不動産営業は「お客様の幸せ」だけを考えているわけではない
少し冷たく聞こえるかもしれませんが、不動産営業はボランティアではありません。
営業担当者には、会社から売上目標や契約目標が与えられていることがあります。 どれだけ丁寧に物件を案内しても、契約にならなければ売上にはなりません。
そのため、不動産営業の頭の中には、購入者への思いと、 営業としての都合が同時に存在しています。
条件に合う家を紹介したい。購入後に後悔してほしくない。 無理のない住宅ローンを提案したい。
契約を取りたい。今月の売上を作りたい。 時間をかけたお客様を他社に取られたくない。
問い合わせ件数、案内件数、購入申込み、契約件数などを 管理されている会社もあります。
契約数や売上が給与、歩合、社内評価に影響する場合もあります。
これは、営業マンとして自然なことです。
問題なのは、 契約を取りたいという気持ちが、購入者にとって本当に良い選択よりも強くなってしまうこと です。
営業マンは最初に「この人は買える客か」を見ている
不動産会社へ相談すると、年収、勤務先、勤続年数、自己資金、 現在の借り入れ、購入希望時期などを聞かれることがあります。
これらは住宅ローンや資金計画を検討するために必要な情報です。
しかし営業担当者は同時に、 このお客様は実際に購入できるのか、近いうちに契約になる可能性があるのか を判断しています。
営業担当者が「購入に近い」と判断しやすい人
- 購入時期が3か月から半年以内に決まっている
- 希望エリアと予算がある程度まとまっている
- 住宅ローンの事前審査を受けている
- 自己資金や諸費用を準備できている
- 家族の意見がまとまっている
- 気になる物件がすでに見つかっている
反対に、購入時期が決まっていない、家族の意見がまとまっていない、 希望条件と予算が大きく離れている場合は、 営業担当者から対応の優先度を下げられることがあります。
すべてのお客様へ同じ時間を使うことは難しいため、 契約になる可能性が高いお客様を優先したいと考えるのは、 営業という仕事では珍しくありません。
ただし、すぐに購入しないお客様へ露骨に態度を変える担当者が、 購入後まで誠実に対応してくれるかは、慎重に見極める必要があります。
「ほかにも検討している人がいます」は本当なのか
不動産営業でよく使われる言葉の一つが、 「ほかにも検討している人がいます」です。
この言葉を聞くと、多くの人は焦ります。
「早く申し込まないと取られてしまうかもしれない」
「今日決めなければ後悔するかもしれない」
「ほかの家族に買われる前に動かなければ」
その結果、周辺環境、住宅ローン、諸費用、物件のデメリットなどを 十分に確認しないまま、購入申込みを出してしまうことがあります。
実際に、ほかの検討者がいるケースは珍しくありません。 価格、立地、間取りのバランスが良い物件には、 複数の問い合わせや内見予約が入ることがあります。
ただし、次の状況はすべて意味が違います。
- ポータルサイトから問い合わせが入っている
- 内見の予約が入っている
- 具体的に購入を検討している人がいる
- 住宅ローンの事前審査を進めている人がいる
- 購入申込みがすでに入っている
単に問い合わせが一件入っているだけでも、 「ほかにも検討者がいます」と表現することはできます。
- 購入申込みがすでに入っているのですか?
- 内見予定があるという意味ですか?
- 売主側から回答期限を指定されているのですか?
- 現在、何組くらいが具体的に検討していますか?
- 今日決める必要がある具体的な理由は何ですか?
本当に急ぐ必要がある場合もあります。 しかし、なぜ急ぐ必要があるのかを具体的に確認せず、 営業担当者の雰囲気だけで決断するのは危険です。
営業マンは他社との比較を警戒している
不動産会社へ相談したとき、 「ほかの会社にも相談していますか」と聞かれることがあります。
これは、単なる世間話ではありません。
営業担当者は、 時間をかけて案内したお客様を、ほかの不動産会社に取られる可能性 を気にしています。
不動産物件の多くは、一つの会社だけが紹介できるわけではありません。
SUUMO、HOME'S、at homeなどに掲載されている物件も、 別の不動産会社から紹介してもらえることがあります。
営業担当者からすると、何度も物件を案内し、住宅ローンや価格交渉について説明しても、 最後に仲介手数料が安い別の会社から購入される可能性があります。
他社へ取られたくない営業担当者が取りやすい行動
- すぐに購入申込みを出すよう勧める
- ほかの不動産会社のデメリットを強調する
- 自社でしか購入できないような説明をする
- 頻繁に電話やメッセージを送る
- 他社へ相談しないよう求める
- 突然、仲介手数料の値引きを提示する
複数の不動産会社を比較すること自体は、悪いことではありません。
むしろ大きな買い物だからこそ、担当者の対応、仲介手数料、 住宅ローンへの知識、物件調査の内容を比較することは大切です。
ただし、購入申込みや価格交渉へ進む段階では、 窓口を一社に絞った方がトラブルを防ぎやすくなります。
営業マンは物件のデメリットをどこまで言うのか
どのような物件にも、長所と短所があります。
- 駅から近い代わりに、電車や車の音が聞こえる
- 価格が安い代わりに、修繕やリフォームが必要
- 日当たりが良い代わりに、夏場は室温が上がりやすい
- 土地が広い代わりに、駅や買い物施設から離れている
- 新築で見た目が良い代わりに、周辺相場より価格が高い
本当に信頼できる営業担当者は、 物件の良い部分だけでなく、悪い部分も説明します。
しかし契約を優先する担当者の場合、 購入意欲を下げる情報を積極的に伝えないことがあります。
「この道路の狭さを強く言うと、買わなくなるかもしれない」
「ハザードエリアだけど、詳しく聞かれなければ触れなくてもいいか」
「将来売りにくい可能性はあるが、今は言わなくてもいいか」
「修繕費がかかりそうだが、契約後に分かるかもしれない」
契約前の重要事項説明で説明しなければならない内容はあります。
しかし、 法律上説明が必要なことと、購入者が購入前に知っておきたいことは、必ずしも同じではありません。
周辺道路の交通量、近隣の雰囲気、時間帯による騒音、 日当たり、将来の修繕費、売却しやすさなどは、 営業担当者によって説明の深さが変わります。
すぐに具体的な回答が返ってくる担当者は、 物件を冷静に見ている可能性があります。
反対に、「特にありません」「完璧な物件です」と答える担当者には、 少し注意した方がよいでしょう。
営業マンは「買える金額」と「返せる金額」を混同することがある
住宅ローンの事前審査で5,000万円まで借りられると言われても、 5,000万円を借りることが安全とは限りません。
金融機関が貸してくれる金額と、 購入後も無理なく返していける金額は違います。
しかし、物件価格が高くなるほど、 仲介手数料や会社の売上が増える場合があります。
そのため営業担当者によっては、 住宅ローンで借りられる上限に近い物件を勧めることがあります。
「今の家賃と、それほど変わりません」
「共働きなら問題ありません」
「年収から考えると十分買えます」
「銀行が貸してくれるので大丈夫です」
このような説明だけで判断するのは危険です。
住宅を購入した後には、住宅ローン以外にも費用がかかります。
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険・地震保険
- 戸建ての修繕費や外壁・屋根の工事費
- マンションの管理費・修繕積立金
- 駐車場代や車の維持費
- 将来のリフォーム費用
- 子どもの教育費や家族の生活費
さらに、転職、育児休業、病気、収入の減少、車の買い替えなども考える必要があります。
信頼できる営業担当者は、「いくら借りられるか」ではなく、 「購入後も生活に余裕を残せるか」を考えます。 月々の返済額だけを強調し、総額や将来負担を説明しない担当者には注意が必要です。
仲介手数料について営業マンが考えていること
不動産会社にとって、仲介手数料は大切な売上です。
そのため、買主から仲介手数料を受け取れる物件であれば、 原則として満額を請求したいと考える会社もあります。
一方で物件によっては、売主側からも手数料を受け取れるため、 買主側の仲介手数料を無料または割引にできる場合があります。
しかし購入者が何も確認しなければ、 仲介手数料を無料にできる物件でも、 通常どおりの仲介手数料が提示される可能性があります。
営業担当者からすると、購入者が仲介手数料について確認しなければ、 自分から値引きを提案する理由はありません。
- この物件の仲介手数料はいくらですか?
- 仲介手数料無料や割引の対象になりますか?
- 不動産会社へ支払う費用はほかにありますか?
- 住宅ローン代行手数料や事務手数料はありますか?
- 諸費用を含めた総額はいくらになりますか?
仲介手数料の金額を聞くことは、失礼ではありません。
数十万円から百万円以上になることもある費用です。 物件を決めた後ではなく、不動産会社を選ぶ段階で確認しましょう。
営業マンが本当に嫌がるお客様とは
営業担当者が嫌がるのは、質問が多い人ではありません。
真剣に購入を考えている人ほど、質問が増えるのは当然です。
営業担当者が対応しにくいと感じるのは、次のようなケースです。
- 複数の会社から同じ物件へ購入申込みを出す
- 内見を無断でキャンセルする
- 希望条件を何度も大きく変更する
- 年収や借り入れ状況について事実と異なる説明をする
- 他社の見積もりを使って過度な値下げを迫る
- 購入する意思がないまま、長期間案内だけを求める
不動産会社を警戒するあまり、購入者側が不誠実になってしまうと、 良い担当者からも十分なサポートを受けにくくなります。
不動産会社と購入者は、敵同士ではありません。
営業トークをすべて疑うのではなく、必要な情報を確認し、 お互いに誠実に進めることが大切です。
信頼できる不動産営業と注意したい営業の違い
| 確認項目 | 信頼しやすい営業担当者 | 注意したい営業担当者 |
|---|---|---|
| 物件の説明 | 長所と短所の両方を説明する | 良い部分しか話さない |
| 予算の考え方 | 購入後の生活も考えて提案する | 借入可能額の上限まで勧める |
| 住宅ローン | 複数の金融機関や条件を比較する | 特定の金融機関だけを強く勧める |
| 急がせ方 | 急ぐ理由を具体的に説明する | 「人気です」だけで決断を迫る |
| 質問への回答 | 分からないことは調べて回答する | 根拠なく断定する |
| 諸費用 | 早い段階で総額を提示する | 契約直前まで詳しく説明しない |
| 購入判断 | 見送った方がよい物件は正直に伝える | どの物件でも購入を勧める |
営業トークに流されないための質問
気になる物件を紹介されたときは、 営業担当者へ次の質問をしてみてください。
- この物件のデメリットを3つ教えてください
- ほかの検討者は問い合わせ段階ですか、申込み段階ですか?
- この価格は周辺相場と比べて高いですか?
- 将来売却するときに不利になる点はありますか?
- この物件を見送るとしたら、どのような理由がありますか?
- 仲介手数料や諸費用を含めた総額はいくらですか?
- 担当者自身が買うとしたら、気になる点はありますか?
すべての質問に、その場で完璧な回答が返ってくるとは限りません。
しかし、質問をしたときの反応や回答の仕方から、 担当者の姿勢が見えることがあります。
- 都合の悪い質問を嫌がらないか
- 曖昧な言葉で話をそらさないか
- 根拠や資料を示して説明してくれるか
- 分からないことを正直に認められるか
- 購入を見送る選択肢も認めてくれるか
不動産会社を比較するときの進め方
不動産会社を最初から一社だけに決める必要はありません。
最初は二社から三社程度へ相談し、 対応や費用を比較するのがおすすめです。
不動産営業は敵ではない。ただし、すべてを任せてはいけない
不動産営業は、物件探し、住宅ローン、価格交渉、 契約、引き渡しまでを支えてくれる存在です。
良い営業担当者に出会えれば、家探しは大きく変わります。
一方で、不動産営業は契約によって売上を得る仕事でもあります。
そのため、営業担当者の言葉をすべて鵜呑みにするのではなく、 なぜ今、この提案をしているのかを考えることが大切です。
「本当に自分たちのための提案なのか」
「今月の契約を作るための提案なのか」
「他社に取られないために急かしているのか」
「物件の悪い部分まで説明してくれているか」
営業担当者の立場を理解できれば、 必要以上に営業マンを疑う必要もなくなります。
営業マンを信用するか、信用しないかの二択ではなく、 説明の根拠を確認しながら、冷静に判断することが重要です。
よくある質問
まとめ
不動産営業は、お客様に良い家を購入してほしいと考える一方で、 契約を取りたい、売上を作りたい、 ほかの会社に取られたくないという気持ちも持っています。
それは、営業という仕事である以上、特別なことではありません。
大切なのは、営業担当者に売上目標があることではなく、 そのために物件のデメリットや費用を隠していないかどうかです。
家を購入するときは、次の点を意識しましょう。
- 急かされたときは、理由を具体的に確認する
- 物件のデメリットを営業担当者へ質問する
- 住宅ローンの借入上限だけで予算を決めない
- 仲介手数料や諸費用を契約前に確認する
- 最初から一社だけに決めず、担当者を比較する
- 購入申込みを出す前には相談先を一社に絞る
家は、営業マンの成績のために買うものではありません。
自分と家族が、購入後も安心して暮らすために買うものです。
「今決めないと売れてしまう」という言葉だけで判断せず、 購入した後の生活を想像してください。
本当に信頼できる営業担当者は、 ただ契約を急かす人ではありません。
あなたが納得して決断できるように、 都合の悪い情報まで正直に伝えてくれる人です。
その物件、本当に今の会社から買うべきですか?
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